怒りから産まれたホラー『水瓶座の女』

f:id:sakamotoakirax:20130921233559j:plain8年前、擬装請負に巻き込まれた。
巻き込まれたというのは、会社が擬装請負をしているのを知ってしまい、しかもそのことを会社側に知られてしまったということである。
会社側に警戒されていることに気付いた私は、立場を守るために画策した。いざくびになった時のために、それまでの経緯を基に小説を書いて出版社に送り、会社側が私をくびにしようとした時に裁判をし、勝った上で小説家になろうとも考えた。
しかし、時間が無かった。小説は、原稿用紙で1000枚はかかる。そこで、100枚程度のダイジェストにまとめた文章を書き、出版社に送った。

出版社から良い返事が来るのと、会社が私をくびにするのは、ほぼ同時だった。
詳細は語らないが、私の行為を曲解され、ひどく名誉を傷つけられた上でのくびとなった。
裁判をしなければ、社会的に抹殺されてしまうほどの名誉毀損だった。道はひとつしかない。

4ヶ月後、私は親に紹介された食品会社で働いていた。
その会社では、1日12時間以上の労働が当たり前だった。土曜日には、夜一時過ぎまで仕事をすることもあった。
裁判は、できなかった。裁判に反対する親をなんとか説得し、裁判に協力する約束を取り付けたにもかかわらず、である。
小説も出版されていない。出版社との話が進んでいたにもかかわらず、である。
私は親に、仕事を紹介するように頼んでいた。しかし親は4ヶ月間、仕事を紹介しなかった。
こんな職場で、小説を書けるはずがない。
しかも、その職場も、擬装請負をやっていた。
私は、親に裏切られたと分かった。私が入った会社は、私を閉じ込める檻だった。
私の入った会社は、親の重要な取引先だったが、私は正社員になれとの親の望みを突っぱねて、バイトで通した。
親に殺されそうになっているのに、親の体裁を考えている余裕はない。


その後、会社が少し暇になったのを利用して、出版社と連絡を取り、小説を書き始めた。
しかし会社は人員削減のため、私の部署の仕事量を増やした。
同じ部署の同僚が、過労で倒れた。地獄だった。

小説は一度書き挙げ、出版社と出版の話をする段階になって、出版社が不況で、話が流れた。
その間に、一人称の小説を三人称に変えようとし、もう一度出版社と話をしたが、私の家庭の事情を知った出版社は、私と連絡を執るのを避けるようになった。
三人称の小説は、まだ完成しないまま、私の手元にある。

私は常にいらいらして、本もほとんど読めなくなった。
肩が懲りに凝って、休日は1日半休まないと、何もする気になれなかった。部屋は汚れ放題、荒れに荒れた。
集中力が無くなり、冬になるとよく自動車事故を起こした。冬が、とにかく嫌だった。
何度も、日本中を旅する夢を見た。この夢を見るのが嫌だった。

結局私は食品会社を辞め、派遣に戻った。
親とはその後連絡を執らず、絶縁状態にある。
その頃、『水瓶座の女』の構想が浮かんだ。
私は積もりに積もった怒りをぶつけるように執筆し、出版にこぎ着けた。前の広告に「『リング』を超えた!!』と書いたが、誇張したつもりはない。
『惣右衛門の死』は、東日本大震災の頃に思ったことを元にして書いた。

水瓶座の女》
才人は金のため、不器量な女香と結婚するが、香を嫌い、殺すことを企む。その時、謎の動画が流れてきて…
《惣右衛門の死》
過去に罪を犯しながら、町人として慎ましく生きた男が、死に際に半生を振り返る。最後には意外な展開が…


  1. www.amazon.co.jp

政治、マンガ、音楽などさまざまなジャンルをあつかう、

sakamotoakirax.hatenablog.com

古代史、神話中心のブログ、

sakamotoakiraf.hateblo.jp

をよろしくお願いします!!